先日、ふと考えた。
タワーマンションは100年後どうなっているのだろうか。
私は不動産業に携わっているが、意外にもこの話題が語られることは少ない。
購入時には立地や価格、眺望や資産価値が話題になる。
しかし100年後の姿について考える人はあまりいない。
もちろん私は100年後を見ることはできない。
それでも考えてみる価値はあると思う。
現在、日本各地でタワーマンションが建設されている。
数十億円のペントハウスもあれば、一般の会社員が購入する住戸もある。
完成したばかりの建物を見ると、まるで永遠に存在するような気さえする。
しかし現実には、どんな建物も老朽化する。
給排水管は劣化する。
エレベーターは更新が必要になる。
外壁や設備も交換しなければならない。
これは戸建てもマンションも同じだ。
問題は規模である。
10階建てのマンションと50階建てのタワーマンションでは、維持管理の難しさが大きく異なる。
エレベーターだけでも膨大な数になる。
設備は複雑になる。
修繕費も高額になる。
人口が増え続ける社会であれば、それでも対応できるかもしれない。
しかし日本は人口減少社会に入っている。
100年後の日本の人口は現在よりかなり少なくなっている可能性が高い。
そのとき、巨大な建物を維持するだけの人と資金を確保できるのだろうか。
ここで私は別の疑問を持った。
もし維持できなくなったらどうなるのだろう。
戸建てなら解体できる。
小規模なアパートも比較的解体しやすい。
しかし数百戸、あるいは千戸近い住戸を抱える巨大建築物はどうだろうか。
解体費用だけでも莫大になる。
住民の合意形成も簡単ではない。
場合によっては、建て替えも解体もできず、老朽化したまま残る建物が出てくるかもしれない。
もちろん逆の未来も考えられる。
ロボット技術が進歩し、解体コストが大幅に下がるかもしれない。
AIによる設備管理が一般化するかもしれない。
新しい建築技術によって、建物の寿命そのものが大きく延びる可能性もある。
100年前の人が現在の超高層ビルを想像できなかったように、私たちも100年後の技術を想像できない。
ただ一つ言えることがある。
建物は完成した瞬間がゴールではないということだ。
むしろ本当のスタートである。
建てることよりも、維持することの方が長い。
そして不動産の価値とは、建物そのものだけでなく、それを支える社会や人口、経済、技術によって決まる。
タワーマンションの未来を考えていると、結局は日本社会の未来を考えることになる。
100年後、日本はどんな国になっているのだろうか。
タワーマンションの運命は、その答えと深く結びついているように思う。
コメントを残す